鶴岡八幡宮 蓮の花

紫陽花が終わった後、鎌倉の夏に咲く花と言うと、代表的なものは、凌霄花(のうぜんかずら)や百日紅(さるすべり)、そして蓮の花だろう。

蓮の花と言うと、やはり鶴岡八幡宮の源平池だろうと思う。本覚寺や建長寺でも見られるけれど、一株ずつ大きな鉢植えのようなものばかりで、池に咲く蓮の花と言うと、鶴岡八幡宮しか思い浮かばない。

7月16日土曜日、三連休の初日に、久しぶりに鎌倉を訪れた。何処へ行こうか迷ったが、ちょうど蓮の花も咲いていることだろうと思い、鶴岡八幡宮を訪れることにした。

二ノ鳥居
二ノ鳥居

鶴岡八幡宮の参道にあたる段葛が始まるのは、二の鳥居からである。鎌倉を訪れる多くの人の写真スポットになっている。鎌倉駅の東口を出て、まっすぐ歩き若宮大路に出ると、大きな狛犬と二の鳥居がすぐに目に入る。

鶴岡八幡宮の参道の鳥居は、一の鳥居から三の鳥居の三つがあるが、一の鳥居はもっと海岸よりの、鎌倉警察署付近にある。一の鳥居だけが石造りで、他の鳥居は朱塗りのコンクリート製である。元は木造だったようだが、1668年(寛文8年)に江戸幕府四代将軍徳川家綱によって寄進された石造明神鳥居だった。関東大震災により、三つとも倒壊してしまい、一の鳥居だけが石造りの形を残して修復され、他の鳥居はコンクリート製になった。

段葛
段葛

段葛は、1182年(寿永元年)源頼朝が妻の政子の安産を願って、北条時政などに命じて築かせた。江戸時代には、もっと南の下馬交差点あたりまであったとされているが、横須賀線の開通などを経て、大正時代以降は今の場所からとなったようだ。

段葛は、2014年11月4日から2016年3月30日まで改修工事が行われていた。桜が全て植え替えられ、若い木になったし、以前は砂利道だったけれど、浸透性土系舗装という舗装路になった。大正時代に植え替えられたという桜の木は、一部は平家池周辺へ移植されたようだ。

三の鳥居
三の鳥居

段葛の終点、ここから鶴岡八幡宮を眺めると、鎌倉へ来た実感が湧く。三の鳥居の間から見える、舞殿の屋根とその一段高いところに見える本宮が、まさに鎌倉の中心だという気がする。

鎌倉でも人出が多い寺社と言うと、鶴岡八幡宮もそのひとつだろう。RETRIPというサイトの「観光で訪れたい人気スポット!鎌倉のおすすめ神社・寺ランキングTOP15」では、第1位にランキングされている。「トリップアドバイザー」というサイトで調べてみると、鎌倉の人気観光スポットランキングでも、第5位になっている。いずれにしても、鎌倉の人気の高いスポットということになるだろう。

紅い蓮
紅い蓮

鶴岡八幡宮の蓮は、三の鳥居を潜ったところにある太鼓橋の左右にあるひょうたん型の源平池に咲いている。太鼓橋の右側(東側)の大きな池を源氏池とし、白い蓮が植えられ、左側(西側)の小さな池を平家池とし、紅い蓮が植えられたと言われている。今では、紅白の蓮はそんなにはっきりとは分かれていないようで、平家池でも白い蓮ばかりのように見える。

源氏池には、三つの島が作られていて、平家池の方は四つの島になっている。源氏池の島の数の「三は」、「産」に通じるとされ、平家池の島の数の「四」は、死に通じるとされて、源氏の繁栄と平家の滅亡の意味を表しているものらしい。

源氏池の島のひとつには、旗上(はたあげ)弁財天社があり、鎌倉・江の島七福神の一つとなっている。源頼朝が平氏を討つために旗揚げした時、弁財天の励ましを受けたということから、祀られている神社である。

蓮の葉と亀
蓮の葉と亀

旗上弁財天社へ続く道にかかった橋の上から、蓮の葉に乗っかった亀が見えた。通る人達がそれに気付き、人だかりを作っていた。

そう言えば、この池には、以前巨大なスッポンも泳いでいた。いつだったか、水抜きがされ、池の整備が行われたが、そのスッポンがどうなったのか、ちょっと気になっている。食いつかれたら大変なことになりそうなくらい巨大なスッポンだった。きっとこの池の主のような存在に違いないと思っていた。

白い蓮
白い蓮

放生池という仏教の教えがあり、捕らえられた生き物を放す儀式を行うための池が、この源平池と考えられている。毎年6月上旬に蛍放生祭が行われるが、その時蛍を放すのは、源平池ではなくて若宮と白旗神社の間にある柳原神池という池である。

源氏池の東側から南側にかけて、神苑ぼたん園がある。正月牡丹と春牡丹が植えられていて、花の時期には訪れる人も多い。冬場の雪が降った後などは、風情があって散策には、とても良いと思う。

源氏池
源氏池

源氏池の北側には、休憩所がある。冬場は、いろんな種類の鴨が集まって餌やりを待っていたりする。この池に集まる鴨は、マガモやコガモ、ヒドリガモ、オナガガモなど。鴨の仲間だけでなく、ユリカモメもやって来る。

夏場は蓮が花盛りだけど、鴨の仲間はカルガモくらいだろうか。休憩所の建物左側にも水辺に降りることができる場所があり、鶴岡八幡宮を訪れた人達が休憩しながら、水面に顔を出す鯉や亀、蓮の花を眺めている。

蓮と鳥居
蓮と鳥居

旗上弁財天社へ続く橋の周辺も、写真スポットだ。蓮の花が割と近いところで咲いていたりするし、二の鳥居を背景にした池と蓮の写真を撮ることができる。

旗上弁財天社の境内の周囲に、ところどころ池を見渡せる場所があり、そこからだと蓮の花が近くに咲いていることがある。そういう場所も写真スポットで、青々とした蓮の葉や真っ白な花を近くで撮ることができる。

平家池
平家池

平家池に面して建っているのが、神奈川県立近代美術館の鎌倉館である。ここは、2016年3月末を持って、閉館となった。当初は、建物は壊され更地になる予定だった。しかし、この美術館の建物が、坂倉準三という方が設計し、戦後日本のモダニズム建築の傑作と言われている建物であったため、耐震工事を施して、残されることになったようだ。

なお、近くの北鎌倉へ通じる道沿いに鎌倉別館があるが、こちらの方は閉館にはなっていない。

平家池の蓮
平家池の蓮

当初は平家の旗の色の紅い蓮が植えられた平家池だけど、今は白い蓮の花が主流のように見える。蕾もまだまだ沢山あったので、これからが見頃なんだろう。花が終わったものは数が少なかった。

源氏池と違って、小さくてこぢんまりとした池だけど、春夏秋冬いろんな風景を見せてくれる、とても美しい場所である。秋の紅葉のシーズンは、必見だと思う。

狛犬と石段
狛犬と大石段

本宮へ続く大石段の左側には、大銀杏があった。倒れた大銀杏は根元近くから切られ、元あった場所のすぐ左側に、親銀杏として残されている。大銀杏が元々あった場所には、子銀杏があるが、立派になるまでにはかなりの年数がかかりそうだ。

大銀杏が無くなったと言えども、左側はやはり写真スポットで順番待ちしなくてはならない。右側の狛犬の方は、そんなでもないので、右側から撮ってみた。因みに、大石段は左側通行と決まっているらしい。上る時は左から、降りるときは向かって右側を歩く。

鳩の八幡宮
鳩の八幡宮

本宮入口の門には、額があり「八幡宮」と書かれているが、その「八」の字は鳩が向き合った絵文字になっている。八幡宮の神の使いが、鳩だからそうなっているようだ。この鳩から、鳩サブレーが生まれた。

鶴岡八幡宮の紋は、鳩ではなく、鶴である。

参道の眺め
参道の眺め

本宮でお詣りを済ませ、高台から鎌倉の町並を眺めた。三の鳥居から海の方へ一直線に延びる参道が見える。さすがに海までは肉眼では確認できないが、海から一直線に続いている参道の様子が良くわかる。冬場なら海も見えるかも知れない。鎌倉は低い山々に囲まれているので、眺めの良い場所がいくつもある。そういう場所で撮った写真を並べてみても、面白いかも知れない。

本宮内では撮影が禁止されているので、本宮や横に並んだ神輿の写真は撮れなかった。

舞殿
舞殿

鶴岡八幡宮では、よく挙式が行われている。神主さんや巫女さんに先導され、この舞殿で挙式が行われる。訪れた日も、ちょうど挙式が行われていた。特に休日には、よく目にする光景だ。

ここで挙式をする人達は、やはり鎌倉かその周辺の方なんだろうなと思いつつ、境内を後にした。

鶴岡八幡宮(つるがおかはちまんぐう)
1063年(康平6) 源頼義が石清水八幡宮を由比郷に移して祀ったのが始まり
1180年(治承4) 源頼朝が小林郷松が岡に移し鶴岡若宮と呼ぶ
6:00〜20:30

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